いま世界が最も覗きたい記録映画。
ロック野郎もブッ飛ぶ、ほんのお隣さんのドキュメンタリー。オイラは、もぉドキュンドキュンとメンタルっロックしっぱなし。ねえ、ユートピアってナニ⁈
―― 安齋肇(イラストレーター)
どっちもどっち、それを受け入れた国も、受け入れられたバンドも、ただただ怖かった。そもそもロックという音楽ジャンルには常識を逸脱した過激なスピリッツやパフォーマンスが含まれていたもの。平和ボケの僕は忘れちまってたんだと思います。
―― みうらじゅん (イラストレーターなど)
所変われば品変わる。あれほど過激でアナログで手に負えないライバッハが、これほど穏健でハイテクでまともに見えてしまうんだから、北朝鮮っていろいろすごい。
―― 山田五郎(評論家)
こんな形で30年ぶりに彼らに再会するとは!カメラワークはPVのように洗練されていて、観る側を妙に冷静にさせる。ライブを開催するまでの日々を追う中、創造者としてのLAIBACHの素顔を通して北朝鮮がクリアに見えてくることに驚く。
―― 奈良美智(美術家)
北朝鮮のセンスのヤバさに、日本が追い越されそうな危機感を覚えます。ダサいフリして実はCOOLな国と、悪評が多いのに実は真摯でポジティブなライバッハは異次元で共鳴しあっていました。
―― 辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
ソウルフラワーが96年訪朝時に同じように体験した忍耐力テストの記録でもある。板挟みになりながら尽力した現場担当の人々の名状し難い表情が懐かしい。壁には魂が入り込む隙間がある。微細な亀裂を見逃さずにここぞと侵入する音楽の力の記録だ。
―― 中川敬(ミュージシャン/ソウル・フラワー・ユニオン)
僕は小さな里山で暮らしているのですが、村で毎日、見聞きすること、感じていることが、北朝鮮を写し取ったこの映画のそこここに溢れていて、それがなにより面白かったです。そして何故でしょう、かつて鎖国を続けていた昔の日本のことを思い出していました。今では僕たちの暮らしもすっかり変わり、他の誰かや全体をおもんばかるよりも、自分を尊重する世の中になりましたが、映画で何度も問い掛けられるように、「幸せ」とは、「多様性」とは何なのか、改めて考えさせられる映画でした。北朝鮮でのコンサートに挑むバンドやスタッフが問題にぶつかる度に「わかる、わかる」とバンド側の立場で頷きたくなるのですが、それ以上に、北朝鮮の方々が言葉にすること、その表情、その心持ちに、共感する自分がいました。
―― 高木正勝(映像作家・音楽家)
この映画のもう一人の主役は、コーディネーター&通訳のリさん。リさんだけでもう一本映画を作ってほしいです。
―― 五月女ケイ子(イラストレータ―)
日本では、朝鮮民主主義人民共和国に対して閉鎖的なイメージを持っている人が多い。しかし、同国の外交の歩みを一つ一つきちんと見ていくと、それほど閉鎖的ではない。特に、音楽を始めとした芸術やスポーツの分野では、昔から国際交流を地道に続けている事実を発見できる。ライバッハの平壌公演もそういう文脈に位置づけて読み解くべきだろう。
―― 森類臣(大谷大学教員/韓国朝鮮社会研究・朝鮮音楽研究)
抑圧、制約、監視、凝視。真っ赤に塗られた社会主義国家のど真ん中で、ライバッハは何を思い、何を感じて演奏をしたのか。平和を繋ぐ音楽とアートは、時に戦いでもあることを改めて痛烈に感じさせるパンクで熱い作品だ。
―― ヤマダナオヒロ(DJ / †13th Moon†)
※順不同・敬称略※